レイモンド・メリマン(マーケットアナリスト、アストロロジャー)の週刊レポートをもとに、毎週の相場の見通しを、占星術の観点から解説しています。
※ 基本、メリマン氏のレポートに沿って訳していますが、オリジナルの解釈であり、省略したり付け加えたりがあります。
日本では安倍総理が辞任を8/28金曜日に発表したことで、その日320円ほどの下落になりましたが、世界的にみて先週は概ね好調でした。
特にアメリカ市場では、ナスダックとS&Pは過去史上最高値を更新中で、ダウもまもなくコロナ前の価格に届きそうです。
短期的な見通し ‐ 9月は世界が大きなシフトに突入する時
すべての金融市場、コモデティ、マーケットはまもなく大きな反転への脆弱性にさらされるでしょう。
それは、火星が9/9に逆行開始し、木星が9/12に順行となり転回するからです。
その前に、金星(価値とマネーの星)は8/25から9/2まで、木星・冥王星・土星とオポジション(180°)となり、9/4には火星を絡めてのTスクエアを形成します。
これらの惑星の動きが示しているものは、地球的な転回点の象意であり、今から9月中旬までの間に周期的サイクルの高値(または安値)をつけての逆転を見ることになるであるということです。
しかしその後、今年のうちで最も強力なジオコスミックタイム(地球宇宙的配置)の1つに突入します。
9/28から10/19がその期間です。
この時火星が、ルーリングサイン(支配宮)である牡羊座で逆行しながら、山羊座ステリウム(惑星集合)である土星・冥王星・木星にたいしてスクエア(90°)を取ります。
この予兆は、世界のあらゆる物事の大きなシフトを指し示します。
政治、経済、自然に関すること全てに。
金融マーケットに関しては、トレンドの大規模な反転を示すことで、この変化に反応する可能性が高いです。
このようなトレンドの反転がどれくらいの規模で、どれくらい鋭いのか、どれくらいの規模なのかは、後述の長期展望でも触れるように、多くの要因に左右されます。
今週は9/2が満月です。
同じ日に金星が土星にオポジションとなります。
金融占星術を使った基本的トレード手法の一つとしては、金星/土星のハードアスペクトのときは既に下落していたものが上昇に転じそうなものを候補にする手法があります。
トレーダーは、どの市場(銘柄)が該当するか特定したいと思うでしょう。
近年の株式市場サイクルは歪んでいる、その理由は
エコノミストは彼らが間違っているわけではない。
しかし、彼らが頻繁にリリースしているデーター予測は実際を正確に表していない。
どうしてなの?
Paul Donovanのブログ記事 “Why Have Forecasts Become Less Correct?”(なぜ予測があまり正確にならないのですか)で次のように述べられている。
これは従来の景気サイクルではない。
人々の反応関数がこれまでのサイクルとは異なる。
経済モデルは反応関数が安定していることを前提としている。
最終的にパンデミックは経済の構造変化を加速させた。
経済データは変化を認識するのが遅く、マクロデータとミクロデータを一緒に合わせることを難しくしている。
経済学者のドノバン博士が上記の引用で延べているように、
最近の経済サイクルだけが歪んでいるのではなく、世界の株式市場や国債市場のサイクルも同様なのです。
このようなサイクルの歪みは、通貨やゴールドのような貴金属のサイクルではあまり見られません。
通貨と貴金属セクターのサイクルパターンは、今年、ジオコズミックサイクルと非常によく対応しています。
しかし、株価指数の売買サイクルをもとに、予測してトレードを実施することが難しくなったのはなぜなのでしょうか。
ドノバン博士が経済サイクルについて示唆したように、パンデミックにより”・・・経済の構造変化が加速した。経済データは変化を認識するのが遅い。そのためマクロとミクロのデータを合わせるのが難しい。”
これは確かに正しく、市場の行動に影響を与えます。
しかし、私はさらに進んで、2020年の株式および債権市場サイクルの歪みの根本的な原因は、中央銀行によって提供される大規模な金融調整(流動性の提供)が大きいと見ています。
世界の多くの場合、中央銀行が実際に介入して株や債券を大量に購入してきました。
”量的緩和”です。
この種の金融介入と金融力学は、これらの証券の価格を大きく歪め、正常な循環パターンが展開される「自由市場」の概念を否定しています。
これが、「FRBと戦うな」という言葉の意味するところとなります。
株式や国債のサイクルが無くなった訳でもなく、金融占星術的な市場タイミングがマーケットで機能しなくなった訳でもありません。
今でも機能しています。市場のトップとボトムは、今でもオンタイム(時を同じくし)で展開されます。
しかし、通常の価格のパターン、つまりトレンドや反トレンドに対する価格目標は大きく歪められています。上昇ラリーは通常よりもはるかに強く、期間も長くなって、強制的な下落は通常よりもはるかに少なくなっています。
国債の場合は、価格活動の振幅が極端に狭くなっています。サイクルとその反転はありますが、通常の40~60%の修正的な価格下落は稀になっています。
したがって、サイクルが発生している時間帯であっても、40~60%の修正がないなら、ボトムを買うことは難しくなります。
ジオコスミック的にも参入時期を示していたとしても、トレーダーにとって重要なリスク/リターンの比率で有利な取引をするために必要な、以前ほどの振幅での下落はありません。
このような状況では、単に「買い&ホールド」そして「FRBには逆らわない」ことです。
しかしこの種の金融工学(金融緩和によるジャブジャブマネー)は、予期せぬショック「ブラック・スワン」が発生した時、大きなツケが回ってきます。
特に中央銀行が、世界の政府の財政失敗による過剰支出、そして膨大化した債務の中毒から手を引いた場合に、「資産バブル」となった市場ははじけるでしょう。
そうなると、”通常よりも少ない修正的な下落”ではなく、”通常よりも多い下落”、かなり危険な下落が起こることとなります。
同じ現象が2012年から2015年にも発生しました。
その後しばらくも”通常の修正的な下落”もほとんどなく、上昇ラリーは通常よりも高く、長く続きました。
これらの金融市場パターンの歪みの期間には、金融占星術的な観点から見て何が共通しているでしょうか?
不景気-バブル-相場の変調、の裏にトランスサタニアンが絡む
2012年から2015年の例は、長期的な天王星/冥王星のワクシング(初めの90°)スクエアのもとで起こりました。
過去、天王星/冥王星のハードな組み合わせは、株式市場を暴落させるような債務危機の加速時期と一致します。
しかし、上記のときFRB議長のバーナンキがゼロ金利政策(ZIRP)と量的緩和(QE)で流動性危機に対抗。
それは有効でした。
その期間に下落せず、金融流動性と負債が歴史的なレベルで増加し、そして世界の株式は高く舞い上がった。
結果として、資産バブルとなりました。
投資家は低い収益の預貯金でなく、株式を持つことを実質的に強いられたからです。
2018年後半に、ドラッグ【低金利とQE】が取り上げられたとき、投資家はパニックに陥りました。
しかしその後、FRBと中央銀行は新しいZIRP(ゼロ金利)ラウンドを開始しました。
2月にパンデミックが発生したとき、株式市場は痛みを伴いました。
量的緩和が戻ってきて、流動性と負債は急激に増加し、投資家は再び株式に戻ってきました。
これは土星と木星が冥王星にコンジャンクトする、2020年1月から11月に一致して起きています。
このコラムの目的は、経済及び金融市場の現象を金融占星術的に研究することです。
これらの市場サイクルの歪みの期間に共通する惑星原理は何でしょうか?
それは ー 冥王星。
冥界の神の惑星は、欲望の結果を達成するための借金と介入「金融工学」の両方に関連しています。
外惑星(トランスサタニアン)は扱うのが難しいとされてきましたが、21世紀には可能なのです。
外惑星のハード局面で次のようなことが同時に起こっている。
1)世界の債務の歴史的な増加
2)政府による、借入を必要とする貧弱な財政管理
3)中央銀行が、貧弱な財政政策を是正するため金融市場に介入、株式/債権の需要を操作する取り組み
木星/冥王星の結びつきの最後は2020年11月12日にコンジャンクド(0°)します。
おそらく政府は刺激策にさらに何兆ドルもの資金を費やし、中央銀行が金融流動性の増加に対応するよう導き、さらに株式や恐らく国債の資産バブルを生み出すでしょう。
しかし、アメリカの選挙が終わった後、冥王星が木星とのオーブを開け始め影響力を縮小し始めたときに、彼らがこれらの広大な金融行動を後退させ始めた場合どうなるでしょうか。
2021年に展開される次のメジャーアスペクトが土星と天王星のスクエアであるため、どうなると思いますか?
大局的に見るなら、上記は、コロナクラッシュ前の高値である2/12~2/20の売りシグナル以後、株式のリスク側に賭けるトレードが難しくなった理由を説明しています。
サイクルが来ても、”通常”規模の価格修正の下落がそれほど落ちないからです。
それでも、金融占星術と周期研究の両方の歴史的パターンに基づく長期的な見方は変わりません.
これらの研究に基づいて
引き続き深刻な下落が待ち受けていることが予想されます。
が、同時に、資産バブルを生み出し、株価を上げようとしているFRBに逆らった予想をすることになります。
(星は下落を示唆するが、人為的に相場が支えられるかもしれない)
2020年、土星と冥王星のコンジャンクトという、長期的な注目のサイクルをまさに迎えました。
来年2021のフォーキャストブックも発売予定しています。
金融市場と、地球宇宙力学である金融占星術との相関関係の研究を諦めず続けていきます。
現時点でコモデティ(商品市場)と通貨市場で非常にうまく機能しています。
FRBと中央銀行らが、金融緩和策を緩めたならば、株式市場にも有効になるでしょう。
歴史は繰り返す。無視すれば同じ過ちを繰り返し、同様の結果を経験する運命。
安くなった資産を購入するタイミングはまだ来ていません。
が、多くの人が考えるより早く到来するかもしれません。
現金が最強の時がどこかのポイントで来るかもしれません。
どの通貨?どの価値の貯蔵庫で?
2021年の予測をフォーキャストブックで説明します。
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